印刷だよりバックナンバー

バックナンバー・・・・・・ 最新号へ戻る

前の号へ


臨時号 2007/6/13
  本日入院 明後日全摘手術

第56号 2007/7/31
  帰ってきたウルトラマン

第57号 2007/8/31
  レインボウカラー印刷

第58号 2007/9/28
  「健康名刺のご案内」

第59号 2007/10/31
  「JAGATJAGRA

第60号 2007/12/03
  事業継承(1)

第61号 2007/12/03
  宗教と医療Evidence

第62号 2008/01/31
  再生紙古紙配合率偽装

第63号 2008/03/04
  古紙再生紙偽装問題 #2

第64号 2008/04/01
  幸せ欲張り人

第65号 2008/04/30
  両親へのRequiem #2

第66号 2008/06/03
  両親へのRequiem #3

第67号 2008/06/30
  霞ヶ関の埋蔵金(Question 99)

第68号 2008/07/23
  
◎ なぜ、原油がいつまでも値上がりすると錯覚しているのか? (Q99-4)

第69号 2008/08/12
  ◎ Web from Print宣言

第70号 2008/09/09
  東南支部だより#26

次の号へ

 

下記「印刷だより」をメールでお届けいたします →→→詳細・申し込みはこちらから
   「印刷だより」は下記発行スタンドからも手続きできます

まぐまぐ
     

 

   





 

2008/9/9発行                              http://business.hey.ne.jp
第70号



東南支部だより#26       2008.07.22
                                  広島県印刷工業組合
                                 広島東南支部長 高野繁義

────────────────────────────────────

「PDFは儲かる」7年前の持論は、今が盛りだといっても差し支えなかろう。
#11 06.11発行の「解りやすいPDF解説」は経営者向きに書いたが、今回は各社
の制作部員を対象にして極力解りやすくまとめてみた。制作部員で、下記内容
の理解度が半分以下だったとしたら「あんた自分の仕事に誇り持っている?」
と言いたくなる。相変わらず生意気を貫いているが、PDFは避けて通れないので、
私のDying Message(遺言)だと思って学習して頂きたい。
@制作部の人には、今からでも遅くないから、自分一人でも、自宅に帰ってか
 らでも、コツコツPDFの勉強を続けなさい、と
A経営側の方には、PDFが解らずして何が「CTP導入したい」「オンデマンド導
 入したい」か、と。(「PDFが解らんのなら一緒に引退しよう」などとは決し
 て言わないが)導入されても構わないが、宝の持ち腐れで儲けることは出来
 ませんよ、と告げたい。

────────────────────────────────────

◎ 儲けるためのPDF (解りやすいPDF解説 #2)

 Acrobatをマスターして、PDFを処理出来る
     Digital印刷会社とは

PDFは、作成されたOS・Application Soft(以下Soft)に関係なく、手軽に入稿
できるのがメリット。File Sizeがコンパクトで(=Memory容量が軽い)印刷用
出力も容易。
しかし、入稿したPDFが印刷用として正しく作成されているかどうかは不明。た
とえばCMYK4色なのに特色が含まれている場合はどうすればいいのか、「プリフ
ライト」して特色が見つかったら再入稿可能か、とか。
再入稿すれば、時間的にロスが発生し、さらにお客様の信頼も失われる。
Acrobatの機能で簡単に変換できるのであれば、再入稿するよりも特色をCMYKに
分解して出力すれば、納期が遅れることなく、お客様にも満足して頂ける。
カラーを変換するだけでなく、ヘアラインを置き換えたり、ドキュメントに影響
を与えずにテキストをアウトラインすることも可能。PDFに精通すれば、最新式
のRIP(Raster Image Processor)は不要になる。入稿したPDFを、コストをかけ
ずに印刷用のPDFに変換できるので、PDFの出力でイライラすることは少なくなる
筈。

東京では印刷用のData Formatとして「PDF」が常識になっており、Digital印刷
会社を標榜する当社としては、PDF入稿に「できません」とはいえない。入稿し
たPDFをチェックして、特色が含まれていたとき「特色をCMYKに分解して再入稿
してください」とは言えない。やり取りしていると納期に間に合わない可能性が
あり、また、お客様が適切にドキュメント内の特色をCMYKに分解できるとも限ら
ない。すべての特色を分解できなかったら、またまた「再入稿」になってしまう。
逆に出力を依頼する立場だとして、「訂正して再入稿してください」といわれた
ら、どうするか? もちろん、再入稿しなければならないPDFもある。
貼り込み画像の解像度が極端に小さかったり、Illustrator CS2でEPS画像を貼り
込んだら画像が水平になる。別Format(Photoshop形式以外)で再入稿していた
だくしかない。
しかし、印刷用として適切でないエラーでも、PDF処理で変換することで「再入稿」
せずに出力できるのであれば、これに越したことはない。
★「再入稿」はコストがかかるもの
印刷会社にとっては「人件費」というコストとリスクが、お客様にとっては「納
期遅延」というコストとリスクが発生する。必要なのは、PDFを使いこなすだけで、
高価なRIPの機能は不要。透明の分割・統合も、最新のAPPEと同様の品質で分割す
ることが可能になる。余談だが透明効果に関しては、IllustratorのCS2まではバグ
が発生していたがCS3でやっと解消されたらしい。
入稿したPDFをプリフライトでチェックし、変換できるものは印刷工程ツール、
TouchUp、PostScript書き出し、フィックスアップなどを使い分けて、PDFを変換
したい。

PDFが普及し、PDFでの入稿はますます増えているので、対応できない印刷会社は
取り残される。とりわけインターネット入稿では、より軽く手軽にPDF入稿が可能
になっている。これからPDFでの入稿が増えることがあっても、少なくなることは
ない。

印刷用として「不適切」なPDFには次のようなものがある。
 @RGBモードで作成もしくはRGB画像が混在
 AICCプロファイルの埋め込み
 Bグレー印刷なのにカラーが混在
 CCMYKのみなのに特色が混在
 DトンボのないPDF
 E印刷で再現できないヘアラインを指定
 F透明効果を含んだまま保存
 Gフォントを埋め込まないまま作成
それぞれを簡単に説明すると
 @Illustratorでは9.0以降カラーモードが指定できる。CMYKカラーで作成してい
  れば、RGBで貼り込んだ画像もPDFとして保存するとCMYKとして書き出される。
  しかし、EPSで貼り込んだ画像がRGBの場合、DistillerでPDFに変換すると画像
  のRGBのまま。Illustratorから保存されるPDFでも、ドキュメントをRGBカラー
  で作成しているとRGBのままPDFが作成される。また、WindowsのMS Wordからの
  PDFでも、Distiller 7.0以降は、強制的にCMYKに変換するDistillerの機能で
  CMYKに変換できるが、その機能を使わないときやそれ以前のバージョンではRGB
  のままになる。
 APDFにICCプロファイルを埋め込むと、埋め込んだカラースペースに合わせてカ
  ラーマネージメントできる。しかし、高解像度の印刷用の出力では、出力機が
  埋め込まれたICCプロファイルを読み込んでカラー変換してしまうことがある。
  ICCプロファイルは埋め込まないようにする方が安全。ICCプロファイルの埋め
  込みは、Softで保存時に行われる他、DistillerでもICCプ
  ロファイルを埋め込むことができる。また、Photoshopで「ポストスクリプトカ
  ラーマネージメント」して、DistillerでPDFにすると、画像に「Post Script
  CSA」のプロファイルが埋め込まれる。これらのICCプロファイルは削除して出
  力したい。
 Bモノクロ印刷なのにカラーが混在している場合、
  グレースケールで作成して1色で印刷する印刷物は少なくない。1色で印刷する
  には、ドキュメントも1色で作成しなければ不都合。1色のデータではグレー
  スケールで作成するのが基本だが、グレースケールで作成しているにも関わら
  ず、CMYKやRGBで指定されているデータが含まれていることがある。グレース
  ケールに変換してRIPから出力することも可能だが、その場合は、変換結果を
  確認することはできない。グレー出力のカラー成分は、グレースケールに変換
  することができる。
 CCMYK4色で印刷するドキュメントにも関わらず、DICカラーやPANTONE(パント
  ン≒世界標準色指定)などの特色を指定し、そのまま出力用のデータを作成す
  ることがある。PDFに保存しても、特色は特色のままになるので、特色はCMYK
  に分解しなければならない。PDF内の特色データを適切にCMYKに変換したり、
  CMYKいずれかの版に置き換えることができる。
 D仕上がりサイズのまま作成されたPDFには、印刷用のトンボがない。トンボが
  なければ印刷することはできない。PDFのドキュメントサイズが仕上がりサイ
  ズの場合は、ドキュメントサイズを大きくし、トンボを後から追加することが
  できるが、「塗り足し」を追加することはできない。
 Eヘアラインは極細線で、線の太さが「0.01 mm」程度になると、2,400 dpiでの
  1ドットは出力できても、印刷するとほとんどとんでしまう。印刷で再現でき
  ないような細い線は、太い線に置き換えるしかない。
 F透明効果はPDFを作成するときに、分割・統合するのがベター。透明オブジェ
  クトを指定している場合、透明のままPDFを作成し、透明効果に対応したRIPか
  ら出力することもできる。しかし出力機によっては、透明に対応しているとは
  限らないし、透明をRIP側で分割・統合する場合でも、RIPによって分割・統合
  の機能に違いが生じる。PDF作成時に分割・統合することもできるが、透明効
  果を分割・統合すると、APPEと同等の性能で分割・統合することができる。
 Gドキュメント内のフォントは、アウトライン化するか、PDFに埋め込めば、レ
  イアウト通りに出力できる。フォントがエンベッド(埋め込み)されていない
  ままPDFが作成されると、別のフォントに差し変わって出力されることがある。
  埋め込まれていないフォントは、再埋め込みするか、アウトライン化すること
  でレイアウト通りに出力することが可能になる。

Post Script
上記Reportは私にとって実質最後の「Digital印刷会社宣言」とするつもりで、乾
坤一擲Releaseした。3年後にはかなりの確率で上記がStandardになっている筈。
これからも、し残した「最後の……」を一つづつMy-paceで片づけることを楽しん
でいる。来月には大河小学校で「車いすの人との接し方」のお話をすることになっ
ている。児童生徒父兄450人を前に「最後の講師?」を務めるが、後日頂く生徒さ
んからのLove-letter集を読むのも楽しみの一つになっている。その次は……??

                                OGRE

 


 

2008/8/12発行                              http://business.hey.ne.jp
第69号



◎ Web from Print宣言


「Web2.0はInteractive(双方向性)が要だ」とか、「これからの印刷界では
『Web to Print』の時代になる」とかまびすしい。
かいつまんで説明すると、数千万円かけて自動組み版SystemをWeb上にUp-load
しておけば、お客様がワープロ感覚で打ち込んだDataが自動的にデザインされ
た印刷版下ができあがる、ことになる。
納期がReal-timeに近いほど短縮され、制作要員不要になり、大幅Cost-downに
繋がる。
年商10億円以上の印刷会社では、Initial-cost(導入費用)とRunning-cost
(維持費)を計算しなければ理想の印刷受注Systemと言える。
このSystemを上手く運用すれば、強い印刷会社はより強くなれる可能性が高ま
り、弱い印刷会社はより取り残され、格差はますます拡がる、と言う推計が可
能になる。

但し、我々はKnow-howを充分に蓄積した印刷専門人なのだから、Computerなん
ぞに簡単に負けるわけにはいかない。
・新聞の本文活字を見ただけで日経新聞と中国新聞の見分けがつく目があるの
 だから……
・美人が着ている洋服の色を、帰社してCMYKで再現出来るのだから……
・しかも材質による色味変化など、どんな高価なScannerにも出来ないはずだ
 から……
・周囲の景色に合致しない、不格好な看板を目にすると心が乱れるのだ
 から……
・アルバイト学生やシロウトが作成したWeb(ホームページ)に不都合を感じる
 のだから……
印刷会社だからこそ出来るHand-madeの、しかも町中にとけ込み訴求効果のある
「看板デザイン」や説得力のある「Webデザイン」作成能力は捨てたものではな
いはず。
「優れた版下デザイン」はPrint(印刷会社)から、「Web from Print宣言」
それは時代に逆行するどころか、「良い印刷物を作る」町中の印刷会社の原点に
思える。

◎ Multi Lingualなお姉さんへ
お世話になった美術館Volunteerのお姉さんへ         やまの あなた
下手の横好きで、美しい絵を観ていると時のたつのを忘れてしまいます。
その楽しいひとときを私たちとともに歩いて頂き、有り難うございました。
知らないお話を聞くことも楽しかったのですが、それ以上にお姉さんのお人柄に
接して、とてもほのぼのとした気持ちに浸れました。
「これ、奥田玄宗の絵じゃない、玄宗より上品だ」と言いきって周囲の顰蹙を買
い、しまったと思ったのですが、玄宗の恩師に当たる先生の絵だとFollowして頂
きホットしました。
Doppel Traum(独語:二つの夢、二律背反、精神分裂)だとか、こんなに素晴ら
しい着物をただ展示するだけでなく着物を着ている写真も併設展示したらいいと
か、生意気ばかりいってごめんなさい。
正直言って、Surrealisme(仏語:超現実主義)とか黄金比とか、絵のことはよく
分からないけど、観ているだけで心の底から和みます。
私たち二人は四捨五入するとお互い60歳になりますが、幼なじみなんです。私の
Karzinom oder Krebs(独語)罹患が幸いして、30年振りに再会できたんです。
私の病状はLevel4に達していても、ごく普通に毎日を過ごしております。
もちろん、公職を退いたり、会社経営もSize-downしながら、Soft-landingという
人生設計の仕上げを模索中ですが……それ自体も楽しんでおります。
加計の紫陽花オープンガーデン(高校の同級生経営)でお花に埋もれたり、白木町
まで出かけて両手の中で蛍のTwilightを懐かしんだり、美術館巡りをして楽しんで
おります。
また訪問することもある筈なので、再会できることをひそかに期待しております。


Post Script
「この期に及んで○○宣言だとか、○○作戦だとか」と批判を受ける。「最後の作
戦だ」と言って、今も「はがす年賀状作戦」の束見本を郵政に承認願いを提出して
いる。往生際が悪い、と言う誹りは甘んじて受けるが、作戦展開中が私にとっては
何よりの自愛・養生に思える。
どちらかと言えば面倒見は良い方だから、いろんな人からよく「恩義を感じている」
と言われる。
しかし、それも頻繁に耳にすると何となく鬱陶しく感じるし、願わくば私の心の中
に「面倒見てあげている」という思い上がりが皆無に近いことを祈りたい。
病気のことは凡そ気にならず毎日を過ごしている。
気にしないように心がけているのも事実だが、達観しているわけでもないし「悟り」
など全くない。
親しくして頂いている近隣にある禅寺の和尚さんから「それが悟りなんです」と言
われても、「そうかな、多分違うような……」そんな気がする。
ひねくれ者と言われても仕方ないが、執拗に「心配で」とか「お気の毒に」とか
「ご立派な心構えですね」とか「頑張ってください」を聞かされると、些少なりと
も食傷ぎみになる。それでなくても抗ガン剤の副作用で食欲不振なのに……

体調はあまり気にしていないが、事業継承がなかなか上手く運ばないのが何よりも
気がかりで仕方ない。
Securityがあるし、ご迷惑が及ぶことを懸念して詳細は語れないが「心を込めて良
い印刷物を作る」基本的な理念だけは、どうにも妥協することが出来ない。
上手く運ばないのを何とかすることが私に残された最大の課題だと言い聞かせてい
る。自棄にならない性格が少々恨めしい。
Every cloud has a silver lining.
(どんな雲も裏は日に当たって銀色に輝いている)
どんな境遇にあっても、希望の光、1%の可能性を模索し続けたい。

                                OGRE

 



 

2008/7/23発行                              http://business.hey.ne.jp
第68号



◎ なぜ、原油がいつまでも値上がりすると錯覚しているのか? (Q99-4)


オイルショックを二度も経験し、Bubble崩壊で辛酸を舐めたにもかかわら
ず、なぜ同じ轍を踏みたがるのか理解できない。
狂乱物価の当時、私はこぢんまりと小銭を蓄えていたから、小賢しく一年
分以上の印刷用紙を前買いして悦に入っていた。
今思えば、両親は「誤った経験も、気づいたときには若者を成長させる」
とばかり、冷ややかに(本心は暖かく?)私の愚行に一切の異論を唱えな
かった。
風評に反してトイレットペーパーさえも買い置きせず、「世の中なんとか
なる」と泰然自若としていた両親が憎らしくも頼もしかった。

「原油は上がり続ける」と尻馬に乗るTV芸者(非常に嫌な言葉なんだが的
を射ている)と言われる評論家やマスコミの煽りには苛立ちを禁じ得ない。
尻馬? 付和雷同という少しはマシな四文字熟語など使いたくもなくなる
ほど彼らの発言には、聞いている方が恥ずかしくなる。
「原油価格は必ず急降下する、その時にも大きな不都合が発生する」との
持論(自分では経済原理だと錯覚している)を連ねるために、Key-wordを
Randomに揚げてみよう。
@Food Myrage A近代産業の著しい特徴は第一次産業従事者の大幅低下 
B需要と供給のBalance C仲買(競り)のGuild化はお役所利権 
D日本道路興運・日本総合サービス・北協連絡○○会議は悪の温床 
Eドン百姓の耕耘機=漁師のRader F高級レジャーボートの係留料金は
何拾円の世界(○○財団)

ミクロ経済学的にはガソリン代が上がったらすべて不都合になる……だが、
風が吹けば桶屋が……の屁理屈ではないがマクロ経済学的には「すべて不
都合」とは言えない筈。

--------------------------------------------------------------------

印刷界で「営業Less経営」を推し進める者としては、ガソリン代高騰によ
り「過剰サービス・ご用聞き営業」が成り立たなくなることは、一抹の救
いではあるまいか? と受け止めたい。
名刺一箱・年賀状一件発注でも呼付けるClientもどうかしているが、それ
に即対応するご用聞きは、印刷マンとしてあまりに情けない。
そういう印刷会社の経営Topも、急がない仕事でも出来上がっていれば、効
率的なスケジュール発想などなく(行ったり来たりの赤字仕事を計算しよ
うとせず)10日先の納期でも遠方まで今日の今日届けたがる(「納品」と
いう本来の意識すらない)。
その反面、お客様が本当に困っている緊急事態でも、普段と同じ対応しか
出来ないからBusiness-Chanceを失っている(=お客様が困っているときは、
何はさておいても対応するというメリハリもない)。
儲からない営業活動を繰り返し、ムダなガソリン代を消費し、ムダな交通
渋滞による環境汚染という未必な故意という罪を犯していることに気づこ
うとしない。

--------------------------------------------------------------------

これは、印刷界に限らず「お客様は神様」という誤謬に気づかない日本人
独自の発想であろう。蚊の泣くような声で叫びたいのだが、通年計算して、
儲けさせてくれないお客様はお客様ではないはず、だと。
逆に儲けさせて頂いているお客様だからこそ、印刷プロとして精一杯の情
報やサービス提供も可能になる。

自動車産業に代表されるように、「工場内生産効率」は世界一と言われな
がら、「サービス産業効率」または「営業効率」は最下位と酷評されるこ
とは、そのまま印刷界にも通用する。
オフセット機械稼働率は欧米の比ではなく世界一の効率なのに、営業マン
効率・営業マンのプライドは世界最低と言えよう。
もし日本中の印刷営業マンが、お客様の顔色だけを見ず、お客様のベネ
フィット(真の利便)本位で活動できたら、印刷界は魅力ある産業になる
のではあるまいか?

--------------------------------------------------------------------

昨今の、遠洋漁民が原油価格高騰に依り生計が成り立たないからと、休業
PRすること自体には反対するどころか応援したい。
ところがガソリン税をタダにせよ、と言う欺瞞には横暴と甘えを感じる。
日本中のすべての国民が不都合を強いられているのに、なぜ漁民だけが免
税という名の脱税をごり押しできるのか? 
彼ら曰く「競りの価格が上がらないから」との詭弁には、「需要と供給」
で成り立っている筈の価格が「天下り役人による」一部ギルド的ヒエラル
キーの利益貪りに支配されていることに気づかないから、愚弄されている
だけなのに……。
旧態依然とした業態、小さな漁船で南アフリカや南米まで出かけることに
よる大幅コスト増や環境汚染など全く念頭にないのだろうか? 
フードマイレージの原則から考慮しても、連綿と続けてきた今までの生業
の在り方自体を見つめ直さないで、為政者のセイにして疑問を感じないの
だろうか?

それに近いことは、今となっては「農協」の悪弊にも繋がるように思われ
る。
「ドン百姓の耕耘機・一本釣り漁師の魚群探知レーダー」は、決して彼ら
を愚弄しているわけではない。
経済発展の原則からして、農民同様に第一次産業従事者の割合は大幅に低
下するのが自明の理なのに、なぜか漁民の減少率は? 
この苦言に異議を唱える人は、MinimumでもP.F.Drucker(ドラッカー)の
「断絶の時代」や「Next Society」、MaximumではSchumpeter(シュンペー
ター)のInnovation(業態革新)他に目を通してから反論して頂きたい。

最近知ったことで、発言することに些少なりとも後ろめたさを覚えるが、
高級レジャーボートを係留する料金は、何と数拾円の世界なのである。
護岸工事に掛かった税金の額は推計できないまでも、町中での駐車料金と
比較することすらアホらしくなる。
陰では「○○財団」「船舶何とか協会」etc,etc,などに、またぞろ天下り
官僚が甘い汁を吸って非常識を連綿と継承していることに呆れる。
廃船不法投棄・廃油不法投棄・密漁問題等は此処では伏せておくが、回り
回って漁師さんこそ、財団・協会の被害者だと思える。
日本中に早急にカイゼンすべき、この類の「出鱈目」が「腐るほど」残存
しているはず。

「チクリ」「告発」という言葉は、日本人としてNobless obleegeを傷つけ
られるし、私には出来ない。原油高騰問題対処に限らず、日本中で「理不
尽・不都合」を俎上にして、知恵を出し合いカイゼン出来たとしたら、日
本は、あっという間に暮らしやすい国になるのでは、という白昼夢を見続
けたい。 

--------------------------------------------------------------------

Post Script
頭の中にあることを十分の一に圧縮出来るほどには、私のStory Tellorと
しての技量はなさそうだ。凡そ毎号のことではあるが、紙幅の都合で無理
に縮めたため、焦点がぼけてしまった感あり。
休日には、倦怠感を覚えながらも「美術館巡り」にいそしんでいる。美し
い絵や工芸品を観ると、すべてを忘れてのめり込める。その前は山奥の
「紫陽花ガーデン」で詩を作り、またその前は50年ぶりに両手の中で「蛍
のTwilight」を楽しんだ。
体調不良で「美しい絵」よりもさらに好きな「良い書物」に接することが
辛くなっているが、それ以外に不都合を感じることはない。
恰も、腫れ物に触るような気遣いはご免被りたい、と言いたいのだが「ひ
ねくれ者」「やせ我慢」と受け取られるので口にしないようにしている。
愉快で、元気で、静かに、幸せな毎日を過ごしている。

                                OGRE



2008/6/30発行                              http://business.hey.ne.jp
第67号



霞ヶ関の埋蔵金(Question 99)


◎ 霞ヶ関の埋蔵金を何故使わないのか?(Q99-1)
  農耕民族の名残で、危機意識・改革意識があまりに乏しく、時局を見極
  められない、思い切った措置をとれない「愚図政治家」集団は、「無作
  為の罪」を連綿と犯しているように思える。

  霞ヶ関の「埋蔵金」を絞り出せば(否、軽く絞れば)ガソリン税など一
  年間ゼロにしても国家運営は成り立つはずなのに……
  「ガソリン税を廃止することは環境配慮の面からも好ましくない」と言
  う詭弁・屁理屈に百歩譲るとしても、その替わりに大幅所得減税や企業
  減税をたった一年間でも、限りなくゼロに近く出来そうに思える。
  「使ってしまえば蓄えがなくなるし、たった一年間限りでは効果が……」
  と閣議は農耕民族的言い訳するが、その一年間の効果は冷え切った企業
  マインドや鬱屈した家計には干天の慈雨に思えるのだが……お祭り騒ぎ
  のように、あっという間に日本中が元気になるのでは、などとの楽観論
  は、あながち滑稽話と言えないのでは???
  素人なので100%効果は保証はできないが、今使わなければいつ使うのだ
  ろうか?
  Too Little To late! 「ちびちび遅ればせ」我が国政治家に対する欧
  米各国の侮蔑には忸怩たる思いがする。

A どうして国歌斉唱を嫌がるのだろうか?(Q99-2)
  「愛国心」=「愛国党」=「極右」などと短絡的に捉えて欲しくない。
  我が生まれ故郷を愛さない方がおかしいし、その象徴たる国旗を敬わな
  いような斜に構えた発想は、自分自身や先祖・両親さえも否定するよう
  で頂けない。

  外国人との交流の場で、「君が代」が流れると、彼らは無駄話をやめ直
  立不動で、手を胸に当てて我が国、我が国民への最大限の敬意を表して
  くれる。
  私は音痴だから君が代のMelodyの良さは分からないが、彼らは「Minor
  調に東洋の神秘的響きがある」と解釈してくれる。
  印刷学的にも、白地対赤丸の比率は森羅万象を凌駕する「黄金比」にか
  なっており、明治の頃には、とある外国から「あまりに美しいから売っ
  てくれないか?」とのOfferがあったと聞いている。
  「美しい」のは黄金分割のDesignationのみならず、花鳥風月の美しい
  風土・わびさびの景色も唱われている、と巧言令色してくれるのだが……。
  「愛国心」を口にすると、すぐ右翼だと批判を受けるが、自分の国を敬
  愛してどこが悪いのだろうか?

  縦しんば、天皇礼賛の「君が代」の文言が悪いのなら、国民投票して納
  得いく歌詞に変えればいいのではあるまいか? 思い切って
    白地に赤く   日の丸染めて   ああ美しや   日本の旗は
    朝日に昇る   日の丸揚げて   ああ美しや   日本の旗は
  こんなに短い国歌なら、たとえ幼稚園児でも式典の冗漫さに耐えうるよ
  うに思える。
  笑われても致し方ないが、私としては換骨奪胎の提案だと錯覚している
  のだが……

B 「竹島」は思い切って韓国にPresentしては?(Q99-3)
  「Present」というのは他人の言葉を借りているが、「返却」より相応し
  く感じる。
  歴史の解釈など、その国の事情で殆どが身贔屓・手前味噌的発想になり、
  真実解明など永久に不可能に思える。
  迷惑を掛けた側は記憶にすら残っていなくても、不都合を受けた側は、
  半永久的に忘れられないのが人情であろう。

  余談だが、仮に「印刷会社経営をしていていままで存続させてこられた
  秘訣は?」と問われたら、健康だったからとか、運が良かったからとか、
  Stakeholder(社員やお客様や外注先etc.)に恵まれたとか、格好付け
  る以前に「理不尽・受けた不都合」をその都度忘れるように心がけてき
  たたからだ、つまり辛抱し続けてきたからだと確信している。存続が危
  うくなった今だからこそ、切実に感じる。

  話を元に戻すと、秀吉の時代から、ほぼ一方的に迷惑を掛けてきたのは
  我が国なのだから(色々不満もあろうが)ここは思い切って譲歩すべき
  だと思えるのだが……
  「Presentする代わりに島根県の漁師さん達の漁業権は保証してくれな
  いか」と交渉してみたらどうだろうか? 仮にNegotiation(外交交渉)
  がうまく行かなければ、それこそ国家的に手厚く補償してあげれば良い
  のではあるまいか?
  先祖? のかけた迷惑は心底謝る、その代わり今後は隣人として肝胆相
  照らす中になって欲しい、と言う本音を隣国も待っているのではあるま
  いか?

  ここからは100%すべてが私の持論ではないが、日本と韓国のみ「人間」
  という言葉が存在する、と言われる。「人間」を英訳すればHuman Being
  だが、日本と韓国ではHuman Betweenになる。日本語には「間が持たない」
  「間が悪い」「間柄」「間違い」などと「間」がShock Absorberつまり
  緩衝作用的によく使われる。
  (Betwixt and Between=どっちつかず、可もなく不可もなくを参考にし
  て頂きたい)

  隣の国と、しかも歴史的にはあまりに近しい国と仲良くできなくて何が
  世界平和か? と言いたいのだが………済州島(チェジュで変換できた)・
  キーセン旅行・族譜etc.おぞましいScandalに触れた者として、どうし
  ても「臭い物に蓋」で看過できないし、今までに琴線に触れることが出
  来た多くの在日友人達に対しても、私の心からの叫びだと言い訳したい。
 アジアの平和は、両国が仲良く親密にならなければ実現しないのでは?

Post Script
予想通りと言うか、残念ながらCT Scan一年検査では、ガン細胞の「リンパ
転移」が見られた。2か月毎の検査結果があまりに順調だっただけに、Dr.
の落ち込みようが気の毒だった。患者がDr.を慰めるわけにもいかず、それ
でも担当医のお人柄と医療Evidenceには十分満足していることだけは告げた
かった。
「Level 4」と言う運命は受け入れざるを得ないが、一旦受け入れたうえで、
医学常識に逆らい続けるしかすべを知らない。

癌で余命半年と宣告された二人が、破天荒に楽しく過ごす映画「最高の人生
の見つけ方」を鑑賞した。Jack NicholsonとMorgan Freemanの渋みある演技
には、我が身とは別感覚で、面白く鑑賞した。
原題「The Bucket List」を直訳すると「棺桶リスト」になるから、「最高の
人生の見つけ方」と陳腐になったのだろう。「過ごし方」とせず「見つけ方」
というActiveな表現の方が少しは救われるが、せめて邦題を「幸せ欲張りリ
スト」にして欲しかった。
今の私は、抗ガン剤の副作用に耐えながらでも、ほぼ自然体で毎日を過ごせ
る。
自分自身を大幅にSize Downさせながら、しぶとく永く「幸せ欲張り人」を
続ける。
                                       OGRE



2008/6/03発行                              http://business.hey.ne.jp
第66号



両親へのRequiem #3


先月号で「父親のことよりも母親のことを知りたい」というResponseがあっ
たので、少々躊躇いながらも、どうしても続きを書かされる羽目になった。
父親は若干「事大主義的」な発言をする人だったが、母親は何があろうと
(父親なら天変地異があろうと、と言うのだろうが)「淡々としたまま」で
物事に当たる人だった。
数か月に一度しか許されなかった上洛見舞いの折りには、当番制を組んで泊
まりがけで看病してくれていた「同志社大学器械体操部員」へも、労いの心
で、物静かに対応していた。
体操部の監督やコーチも「お母さんから泣き言や恨み言聞かされると覚悟し
ていたんやが、立派なお母さんやな」と安堵の声を聞いていた。
「お母さん、高野の小さい頃の話を聞かせて下さい」という部員達の
Requestに対しても、恰も明日は私が歩いて退院するような口調で語り部を
務めていた。

───────────────────────────────────

私が4才の頃、川遊びをしていてガラスで足の裏を爪先から踵まで切ったこ
とがあった。何か月経っても家の中を這っているので、しびれを切らした
母親が「立ってみんさい」と命令したらしい。
Obedience(従順)が取り柄の? 私は、恐る恐る、しかしちゃんと起立し
たらしい。
「歩いて見んさい」には、スタスタ歩き始めたらしい。
まさかと思いつつ「走って見んさい」と言えば、家中を走り始めたらしい。
親戚中でも笑いの種にされていたが、母親の平坦な口調が何とも言えず、体
操部員達は、涙を堪えて笑い転げていた。

6才の頃の記憶は新鮮に覚えていた。近所の化粧品店の改築工事があり、子
供達でお店の前で遊んでいたときの記憶を暴露された。
「仲良う怪我せんように遊びんちゃいよ」と言われた矢先に、よちよち歩き
の子供が取っ手に洋服を引っかけたため、ガラス戸が倒れ始めた。
「危ない」と言った瞬間に、私は扉とよちよち歩きの子供の間に入っていた。
後先顧みない「オッチョコチョイ」な性格は既に芽生えていたのであろう。
頭部でガラスが割れて側頭部(左耳の上)を切って、血だるまになりながら
帰宅したことも微かに覚えている。出血がひどいので、急遽、すぐ近くの
「産婦人科」で縫合手術をして頂いた。古き良き時代にも「医術は仁術」が
生きていたのだろう。麻酔を嗅がされた記憶もハッキリ残っている。

小学校では、数針縫った傷跡を見て「電車ハゲ」と茶化されるのが嫌だった。
中学生になると「産婦人科で性転換手術受けたシスター」と冷やかされた。
当時はまだ「美輪明宏」のことを「丸山明宏」と呼んでいた時代で「オカマ」
と言う言葉はなく、おんながたを「シスター」と呼んでいた。

翌日退院してからは、抗生物質は高くつくので「苦い薬」を飲まされた。
「せんぶり」や「げんのしょうこ」などを混ぜ合わせてあるらしく、身震い
するほど苦かった。
母親がやはり淡々と(今思えば、真実は「眈々」と、だった)「この薬を飲
まんと、脳みそまで腐ってしまい馬鹿になるんよ、苦いけど我慢して飲みん
ちゃい」と懇々と諭すので逆らえるような雰囲気ではなかった……

「でもあんた、泣き言も言わずによう飲んだね。私なら、あんな苦い薬なん
か絶対に飲まんかったよ」14年ぶりに、病室で初めて真実が明かされたのだ。
母親は常に行儀が良く、駆け引きもせず、物事の道理をわきまえている人だ
と思っていたのに…… 裏切られた気持ちも些少はあったが、部員達と一緒
に私まで笑いの渦に巻き込まれてしまった。

───────────────────────────────────

母親が病室を空けた時に、叔母(母親の妹)が語ってくれた。(叔母とは年
が近いセイもあって、子供の頃からそして今でも「薫子姉ちゃん」と呼び、
お世話になっている)
その薫子姉ちゃんが「兄ちゃん(=父親)がね『ワシならとうに人生投げ出
してしまうが、あいつは母ちゃんの血も継いどるけえ、もしかしたら生き様
を見つけてくれるかも知れん。能わぬことだが、あいつの代わりになってや
りたい』って弱気になっとるんよ。それから姉ちゃん(=母親)はね、今日
はお化粧で隠してるけど、あんたが怪我した翌日には髪の毛が真っ白になっ
て、一晩で10才くらい年取ったみたいになったんよ。それでもあんたはね、
兄ちゃん姉ちゃんにとっては今でも『希望の星』なんだから、渋とう生きん
さいよ」
その晩、初めて病室の枕を濡らした。

───────────────────────────────────

Post Script
厳密には「両親への鎮魂歌」という私ごとで紙面? をお借りするのは「#4」
になる。
あまりにも「印刷だより」のTitleとかけ離れるので、せめてものお詫びに、
印刷界でさえ曖昧模糊どころか混同している「シャープ」と「ナンバー」の違
いくらい蘊蓄を垂れておこう。
「文字物」に対して「記号類」「符号類」を総称して、我々は「約物」と呼ん
でいる。
それでは、約物のシャープ「♯」とナンバー「#」の違いを見比べて頂きたい。
シャープは音楽記号で横二本線が右肩上がりになっているのと、ナンバー(印
刷界の俗称はイゲタ)では横二列が平行になっているのを確認して頂けるだろ
うか? 混同しているどころか、区別する意識さえ欠如しているのが今の印刷
界の現状であろう。
来月号からは、元に戻って癖のある文章ながらも、暖めていること? を漸次
披瀝する。


                                           OGRE



2008/4/30発行                              http://business.hey.ne.jp
第65号



両親へのRequiem #2


両親の命日が近づくと、何故か京都第二日赤に入院していた当時のこと
が想い出される。
下京区に住んでいた親戚のおばあちゃんが見舞いに来て、12才から20才
まで封印していた「開かずの引き出し」の話を聞かされた。それは、敢
えて忘れていた小学校5年生の晩秋の苦い思い出である。

───────────────────────────────── 

休みになると「高野のおばちゃーん」と近所の割と裕福な子供達が我が
家に遊びに来ていた。食事時になっても帰らず、我が家の質素な食事を
好んで食べていた。お茶屋の恵子ちゃんも、不動産屋の邦ちゃんも、卓
袱台の前に行儀良く座って、好き嫌いも言わないのを目にした母親達は
不思議がり、有り難がっていた。
邦ちゃんの家に遊びに行くと、豪華なおかずがあるのに、好き嫌いは甚
だしく、あちこちウロウロしながら食事している様は別世界だった。
弟は子供達が我が家で食事することを良しとせず、「金持ちにタダでめ
し食わすのは損だ」と言って母親にたしなめられていた。私もそのよう
に思わないでもなかったが、長男がそんなこと言えば父親にぶん殴られ
るのは、既に承知していた。

日曜日の午後遅めに「雁木」に釣りに出かけた時に事件が起こった。
道すがら、邦ちゃん(6才の丸々とした元気な男の子だった)に出くわ
した。月光仮面に扮して、風呂敷をなびかせながら、どうやら後追いに
川まで付いてきていたらしい。
夕闇が迫り始め、帰り支度をしていた矢先に「ドボン」の音がした。そ
の方角を確認すると、邦ちゃんが川に落ちていた。広島の川は三角州特
有の現象があり、満潮時には海水が逆流して満々と水をたたえる。
「誰か助けてやらんと、溺れ死ぬで」と言う声はするものの、誰も動こ
うとしない。邦ちゃんは、どんどん沖へ流されている。
気づいたときには、川の中だった。水の冷たさで息がし辛かったが、何
とか邦ちゃんのところまで泳ぎ着いた。邦ちゃんが抱きついてきて、首
を絞めるので溺れそうになった。一旦、水の中に潜り、邦ちゃんが息苦
しくなって手を離すのを待った。再度背中から抱きしめて岸へと向かっ
た。流れが速く、体力を消耗しているので川岸が遠くに感じた。釣り竿
を差し出す人がいたので、それに捕まり、やっと岸へ辿り着いた。

焚き火を大きくして貰い、邦ちゃんをフリチンにして身体をこするよう、
周囲の大人に頼んだ。私も同じ格好になって、火傷するほど焚き火に近
づき、身体をこすり、服の水を絞った。「こんなあ、人命救助で表彰さ
れるで」などと喝采されたが、何となく白々しかった。ぐったりしてい
る邦ちゃんを背負って帰路についた。
邦ちゃんの暖かさを背中で感じだしたら、邦ちゃんも「お兄ちゃんの背
中は温いね」と言ってくれた。寒さに震えながらも、二人とも何となく
ほのぼのとした気分で邦ちゃんの家に着いた。

二言三言説明し始めると、いきなり邦ちゃんの母親から「あんた、うち
の子殺す気か!」と罵られた。「違わい、誘っていないのに邦ちゃんが
勝手に付いてきていたんじゃ」と発するのが精一杯で、逃げ帰った。

濡れ鼠の状態で、正座させられ、ぶるぶる震えながら一部始終を報告せ
ねばならなかった。父親は聞き終わると「あの馬鹿母親はワシも好かん
が、お前も言い訳するのは良くない。今日のところは功罪相半ばで咎め
無しにしよう」で解放された。
大人と子供を同等扱いにされて、何となく不公平感を感じたが、口にす
ればぶん殴られるので我慢した。お酒を飲まされ(美味かった)熱い風
呂に入って寝たのだが、翌朝は風邪を引いて学校を休んだ。
頑固オヤジと言われている町内会の世話役が「学校や警察に言って、表
彰して貰うよう手続きするが、ええじゃろう?」と説得に来られたが、
父親は「息子のためにならんから、申し訳ないが遠慮させて頂く」と頑
なに拒否した。

数か月後、近所の道路工事が始まり「砂利トラ」の喧噪が始まっていた。
エンジンが掛かったままの停車中のトラックの後ろで遊んでいた邦ちゃん
が轢かれて死んでしまった。邦ちゃんを見た頑固オヤジが母親に注意した
らしいが、逆に言い返していたと聞いた。「せっかく繁ちゃん(=私)が
助けたのに、馬鹿母親のセイで台無しになった」と言う風評が流れたが、
あまり良い気はしなかった。腑が飛び出しかなりむごい死に方だったらし
く、葬式には出させて貰えなかった。
後味が悪く、それ以来この苦い思い出は私の記憶の中から抹消させられて
いた。

───────────────────────────────── 

下京区のおばあちゃんから「あんたの父ちゃんが『並み居る大人が尻込み
しているのに、小学生のあいつは無意識にでも飛び込んで子供を助ける奴
だ。あいつはワシの子だから、車いすを使用する身になっても、しぶとく
生き様を見つけ出す筈だ』とたいそう褒めてはったよ」とニコニコ顔で告
げられるまで、邦ちゃんの話は忘れていた。

何と不器用な子育てなんだろう、もう少し優しく躾されていたら、と父親
を恨めしく思った。それと同時に、こりゃあ弱音や泣き言は一生吐くわけ
にもいかんな、と感じた。

                                     OGRE



2008/4/1発行                              http://business.hey.ne.jp
第64号



幸せ欲張り人


「甘え下手」、「やせ我慢」は知己が私に下した褒め言葉だと捉えて
いる。
その信憑性に関して、私としては前者は90%当たっていると受け留める
が、後者は50%位だ反駁したい。「痛い」「辛い」を滅多に口にしない
のは、単にそういう性格なのであって、やせ我慢だけでもないように
自覚(錯覚?)している。

私より後で罹患して、しかも優性だったはずの友人は「人工透析」し
なければならないからと「抗ガン剤」治療が出来なかった。
「ワシは座して死を待つのみだが、お前はしぶといから長生きする」
と憎まれ口きいていていたが、先週さっさとあの世へ逝ってしまった。

2月18日から少し軽めの抗ガン剤服用第3クルー(もしかしたら4か5ク
ルー?)が始まった。
ガン細胞の活動を抑制するための抗ガン剤服用により、またまた白血
病患者? に舞い戻ってしまった。
「人間という生き物は贅沢なもので、せっぱ詰まっているときは何一
つComplainしなかったけど、今回はしんどい」と時折口にしている。
「抗ガン剤は回を重ねるごとに体調不良を訴える人も多い」と、遠く
にいる親しい看護婦さんという友人からAdviceがあった。

しかも一か月で終わると勘違いしていたが、4月中旬までの2か月間も
拷問に耐えなければならなかった。(ウーン、Shock!)
優しい知己は「その呑気さがあるから、病に打ち克てる」と褒めて下
さるが、辛口人間は「他人が心配してやっているのに、根っからルー
ズな性格なんだな」と非難囂々。

Dr.の強い薦め? があったからこそ「車いすバスケットボールの試合
に出る」と言ったら、周囲が剣呑な雰囲気になってしまった。
「60才になって、しかも胃ガン手術の後に、年寄りの冷や水」と強い
批判があったので、検診時には、遠い親戚の近くの看護婦さんに同席
して貰って、何とか出場を認めて頂いた。
年初から、軽く体を鍛え直していたが、本音は「体調の整備にもう一
か月欲しいな」というのが偽らざる心境だった。
Full-time出場ではなかったし、かなり手抜きしていたので、4試合こ
なした翌日は体の痛みもなかった。
「司令塔がいないと試合にならないから」と嘯けることと、仲間(対戦
相手を含めて)からの手放しでの受け入れに無上の喜びを感じている。

バスケットもそうだが、毎日会社に出ることが辛く感じたことはない。
と言うよりも寧ろ「今日も印刷の仕事が出来る」という喜びに浸れる自
分に、多少呆れながらも最高の喜びを感じられる。
年初来、隔週には何かの「新作戦・仕掛け」を展開しており、「新作戦
展開を辞めたら、ガン細胞がしゃしゃり出るけえ」とJokeが言える。
経営Innovationを続けている限り、ガン細胞もおとなしくしているよう
に思えるのだが???

─────────────────────────────────

「体調もさりながら、6年間もTopが入退院の繰り返しで、よく会社が潰
れないものだ」というご心配には「よくぞ仰有ってくださる」と、なま
じの励ましよりも遙かに暖かさを感じる。
社内台所は、当然推測される通りかもしれないが、何度も何度も、何度
も何度も修羅場をくぐり抜けてこれた幸運は「伊達や酔狂じゃない」と
呼応できる。
けだし、Topが「もうダメだ」と感じたら、当社の存続はあり得ないの
であろう。Disappointment Less Manとしては「矢玉尽き弓が折れても、
徒手空拳で闘っても、生き延びる」と大法螺を吹いている。

金融機関からは「当世、借入申し込みされるお客様(企業)の過半数は
本部からOKが出ないんです。御社は申し込まれていないけど、付き合い
だと思って1千万円借りて下さい」とOffer(融資打診)がある。
「金利は交際費のうちだと捉えているが、安くせんと借りたらん!」表
面上は不承不承、「内心ヤッタア」で対応している。
というのも、最先端だったPODマシンが既に耐用年数・稼働率も過ぎて、
いつお釈迦になるか解らない状態になっているからである。
「イザ」と言うときに資金繰りの前準備が出来ることは心強い限りで、
「借りる・借りない」は企業秘密にしておく。

─────────────────────────────────

思うに、どんな状況にあっても、たとえ死に至る病気にかかっていたと
しても「生きる喜び」を見いだすことは不可能ではないように感じてい
る。
延々と続くように思われる暗い隧道(Tunnel)でも、そこを出てみると、
それが大きな山の向こうへ出るための近道だったことがわかるような気
がする。

今の自分自身に何の興味も持てないのに、興味ある振りなど出来ない。
希望など、かけらも感じない心根でありながら、実り多き人生を送って
いるかのようには振る舞えない。
いかなる時でも、生きとし生かされている限り「幸せ欲張り人」であり
たい。

                                     OGRE



 

2008/3/4発行                              http://business.hey.ne.jp
第63号



古紙再生紙偽装問題 #2


前号「再生紙偽装問題」では、当然批判があることを覚悟していた
が、毀誉褒貶の割合は9対1位だった。
もっと解りやすく補足しろというResponseが圧倒的だった。続いて
は、何故自虐的に告白するのか? その意図を説明しろ、だった。

お客様からの詰問が発端だったが、私としては自虐的にはなってい
ない積もりだった。Scandalの真相がこうだ、と究明するほどの能力
も信念もないし、すべて解っている訳でもない。
ただ市民として、それも印刷を生業としている(=毎日、多量の紙
使用を介して商売している)者として、一面的・短絡的な製紙業界
Bashing(叩き)に疑問を感じたからに過ぎない。

───────────────────────────────

「Recycleの主目的はゴミ減量」だった筈なのだが、Recycle率が高
ければ高いほど良い、と言う風潮が一人歩きを始めた。
いつの間にやら、官僚が「PPC用紙は100%」「印刷用紙は70%」と
業界を指導(命令)し始めたように記憶している。
当初、当社は「古紙100%では印刷は無理だし、第4表紙(裏表紙の
ことを印刷界ではこう呼ぶ)に100%のRecycle Markを刷り込むこ
とは詐称行為になりかねませんよ」と発注担当者にAdvice(反発)
していた。
一印刷会社の Antithese(疑問・提案)など知れたもので、印刷発
注担当者も「私は地方の小役人だから、中央官庁の決めたことには
右ならえしかできない。余り深く追求してくれるな」には妥協せざ
るを得なかった。

環境問題に敏感で(=利権を貪るのにも)、かつ優秀な官僚が言い
出したことだろうが、前号にくり返すが、製紙業界が「100%再生紙
作成は無理」だと外連見なく言えば今日のScandalはこれほど大きく
ならなかったのであろう。
おまけに官僚のPuppet「操り人形的審議会」が、官僚の発想におも
ねた答申を出したものだろうと推測される。
我々業界団体の「全印工連」・「JAGRA」は、その答申に反対を唱え
るべきだったが、専業としての義務を遂行しなかった。
それ以上に上部団体? とも言うべき「日印産連(日本印刷産業連
合会)」「JAGAT(日本印刷技術協会)」も意思表示しなかった筈だ
が、仮初めにも日印産連やJAGATが前記審議会のメンバーでなかった
ことを祈りたい。

高度な社会においては「優秀で頭脳明晰な官僚」は絶対に必要であ
ろう。また、天下り・渡り・賄賂などで悪事を重ねる官僚はごく一
部だと信じたい。
官僚とて人間だから、時には間違う。その間違いを指摘・指導すべ
き立場の「政治家」「学者・見識者」「業界団体」「マスコミ」の
無作為には看過できないものがある。補助金や優遇措置の前には、
品格など吹き飛んでしまうのだろうか? 
繰り返すが、お抱え学者や官僚の太鼓持ち的審議会がPropaganda
(政治宣伝)にへつらい、一番罪深いように思える。

───────────────────────────────

話は変わるが、2000年も前に哲学者Seneca(*1)は人を不幸にする最
大要因は、@世論に同調すること「付和雷同」A道理に従って生き
るのではなく、模倣に従って生きること「上っ面人生」だと喝破し
ている。
自分の頭で考える習慣のない人は、世論の尻馬に乗り、たとえ良い
本に出会っても、どんなにTimelyに適切な指導を受けても自分の身
に付かない。ある人との出会いにより、ある良書との出会いにより、
自分のその後の人生が大きく変わったと言う経験のない人は不幸で
あろう。
   (*1) Lucius Annaeus Senecaセネカ(BC4/5〜AD65)
     帝政ローマの、新ストア派とされる哲学者・政治家・劇
     作家で、皇帝ネロの家庭教師を勤めたこともある。人間
     の理性、徳を重視し不動の心で世界を観照しようとする
     Senecaの思想は後のキリスト教形成に影響を与えたと言
     われている。主要著作に「人生の短さについて」「幸福
     なる生活について」、悲劇作品「メデイア」「アガメム
     ノン」など

私は、あまり他人に読書を押しつけないことにしているが、Karel
van Wolferen(*2)著、日本の官僚制度に関しての警告書「人間を幸
福にしない日本というSystem(The False Realities of A
Politicized Society−副題−富める国の貧しい国民へ」は私の駄
文より遙かに説得力があることを力説したい。
   (*2)カール・ウオルフェルン オランダ生まれのJournalist、
     '62年に初来日以来、日本を拠点に活道。'72〜'89まで
     オランダの高級紙「NRCハンデルスプラッド」の東アジア
     特派員、'82〜'83日本外国特派員協会会長
     Edwin Oldfather Reischauerライシャワー駐日大使の
     「The Japanese日本人論」に匹敵するほど説得力のある
     書物に思える
     主著に「The Absence of a Center of a Political
     Accountability政治的説明責任 の中枢の不在」など

───────────────────────────────

ここで、最近知った事だが、京都議定書の間違い? を補足(蛇
足?)説明したい。
EUの目論見としては、@温暖化の恐怖を煽り、
AGoa元副大統領にNovel平和賞を授与することで、その恐怖に
正当性を与え、
B温暖化ガスの排出量制限に中国とインドを取り込み、
C欧州は実質削減から逃れる、
と言う陰謀から、EUが儲かるシステムとして「京都議定書」が仕
組まれたと漏れ聞く。「陰謀」などと言うと、過激だと捉える向
きもあろうが、欧米のしたたかなたくらみが理解できない脳天気
な人だと思える。
Bに関しては「中国は発展途上国だから努力しない」という中国
流詭弁で逃げられたが、
Cに関しては、東欧の旧共産圏ではEnergy
効率が極端に悪く、排出ガス削減が大幅に可能だからドイツ・フ
ランス当たりは余り努力しなくてもEU全体としては「削減率」を
クリアできる事になる。

日本の賢い官僚がそのことに気づいていないはずがなく、「馬鹿
な政治家」や「不見識な学者」や「付和雷同するマスコミ」のこ
とをせせら笑っていることと思える。
統計学での「定量的」「定率的」比較論を深耕する迄もなく、我
が日本に関しては(統計数字を検証したわけではないが)世界で
最もエネルギー効率が発展しているように思われる。
統計数字では、世界のGDPの10%を占める日本は、炭酸ガス排出量
の占める割合は3.8%になっており、世界に冠たる超優秀環境国と
言えよう。
EU押しつけの「日本はさらに6%削減」は非現実的に思えるのだが
………、
それどころかEco自動車・Eco家電・Eco配慮工場等で環境配慮に努
力・貢献している日本が、余り努力していない国に対して、テラ銭
のように「排出権買い取り料」を払わされている現状には理不尽を
覚える。

                              OGRE

 

2008/1/31発行                              http://business.hey.ne.jp
第62号



再生紙古紙配合率偽装


「お前の会社も紙を扱っているのだから、もしかしたら同じ穴の狢か? 
何故こういう問題が発生したのか素人にでも解りやすく説明しろ」と
複数のお客様から優しく詰問された。
資料も少なく、たった1日でお答えするのには無理があり、私の現時点
での説明には過ちもあろうが、とにかくお答えしたい。
どこに問題発生の根源があるか? と問われると、乱暴ではあるが以下
の5項目に集約されるように理屈づけてみた。

─────────────────────────────────

1「再生紙は環境に優しい」というBOOMが一人歩きし過ぎて、
 Journarismがそれを煽り、社会全体が付和雷同した。
2そこに目をつけた(いつの世でも抜け目ない)官僚が利権を貪った。
3官僚に逆らえない経済人(製紙業界etc.)も火事場泥棒的に「濡れ
 手に粟」を決め込んだ。
4大量Dealer(Super Marketのような量販店etc.)が売れ筋を仕入
 れて販売した。
5大量Dealer(紙にインクを載せて事業を営んでいる印刷業界etc.)
 は、役所からの古紙配合率指定に逆らえなかった。

─────────────────────────────────

1に関しては、Journalismは決して正義の味方にばかりなってくれない
 し、正しいことばかり報道してくれない、と言う現実を世の中の人は
 知っておくべきであろう。

2に関しては、野放し状態の官僚制の問題をまともに追求しない限りは、
 我が国の根本的解決には至らないだろう。このことを一番強調したい
 のだが、準備不足と紙幅の都合で割愛せざるを得ないのが辛い。
 また、環境問題に関しては、我が国だけの問題でもなく「Green購入」
 「排出権取引」「カーボンオフセット」「ゴミのリサイクル」
 「Radical(御用盗的)環境団体」などの付け焼き刃的矛盾は、その
 うち地球規模で行き詰まるように思える。
 数年前に、ある善意の全国大会に出席した折りに「ビジネス印刷は意
 識が高いから『Green購入』(*1)を率先垂範するだろう」の期待に
 「主旨には賛成だが、ママゴトには興味がない」と言い切り、その場
 を白けさせてしまった。
  (*1)購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境の事
    を考え、環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境
    負荷の低減に努める事業者から優先して購入すること。と指導
    を受けているが、当社は従順には従わなかった。

3に関しては、官僚に対して「100%再生紙で品質・Costを保証すること
 は不可能だ」と言い切れなかったばかりに製紙業界の悲劇が始まった
 ように思える。また、10数年前から、古紙から印刷インキを抜く「脱
 墨技術」が大幅に進化したこともあり、「NO」が言えなかったように
 察する。因みに、その脱墨技術の副作用によって、静岡県(製紙業界
 集積地)辺りの海は環境が悪化したと漏れ聞いていた。
 「上質紙」仕入れ価格より「再生紙」の方が高いという不都合に印刷
 会社は疑問を抱いていた。不当な価格設定により、小銭を稼いだ製紙
 業界も、今回のScandal発覚により、その数十倍・数百倍の損害が発
 生していることだろう。
 皮肉なことに、昨年来「100%再生紙は今後対応できない、今後再生紙
 の生産は減らす」という通告を我々印刷業界も受けていた矢先のこと
 だった。

4に関しては、GMS(大型Super Market)との差別化を全面に出した
 CO-OP生協は10数年くらい前から「生協のToilet Paperは体に優しい
 Virgin Pulp(ヴァージンパルプ)を使用しております」をCatch
 Phraseにしていた。
 「体に優しい方が大切なのでは?」という当社からの問いかけに、
 Buyerは、製紙業界同様に「環境に優しいと言う時代のNeedsには逆ら
 えない」と手のひらを返した。飯を食うための仕方ない対応だと言い
 訳されたが、後ろめたさは消せないだろう。

5に関しては、全印工連やJAGRAも一斉に製紙業界に抗議文(*2)を突き
 つけたが、何となく不自然さを感じる。
  (*2)1消費者、印刷会社の得意先並びに印刷業界に対して本件に
     関する見解の公示。
    2日本印刷産業連合会に対する説明会の開催。
    3配合率乖離製品の銘柄別の早急な開示。
    4再生紙(配合率適正用紙)の安定供給。
    5製紙各社に対し、用紙の返品、交換及び刷直し等損害費用
     発生の場合の真摯な対応の指導。
    6卸商・代理店等の流通サイドにおける誠意ある対応の指示。
    7品質保証方法の具体策を含め、再発防止策の提示。
    8技術的な見地を含めた再生紙生産に対する考え方と、今後
     の生産見通しについて見解をまとめ、グリーン購入制度へ
     の対応を行政と協議願いたい。またその猶予期間の対応に
     ついての提示。

────────────────────────────────

Green購入にも再生紙問題にも逆らい続けた当社とて、やはり後ろめ
たさは残る。
「オレが再生紙だと言ったら、再生紙じゃ」は、当社の専売特許では
なかったはずだが、いざとなるとどこの印刷会社も「ダンマリを決め
込むんじゃろうな!!」 
現実には、配色再現の厳しい仕事は再生紙では無理なので、役所関係
のお客様に対して「間違いなく再生紙です」と自信を持ってごり押し
納入していた。
納期の迫った、しかも大量印刷にも、再生紙だと静電気やCarl(*3)が
発生して対応不可能だった。
  (*3)印刷用紙の厚さや縦目・横目の問題もあるが、インキを載せ
    るのだから、必ず印刷後はカールしてしまう。印刷排出時に
    真空で用紙のCarlを防ぐ「De-carler(デカーラ)」という
    装置を駆使しても、印刷速度を半分に落としても、再生紙の
    Carl発生を皆無にすることは不可能に近い。

────────────────────────────────

懺悔する気も、また開き直る気もない。「しようがなかった」と言っ
た曖昧模糊とした気分が少なくなることには、些少とも安堵したい。
過度のMetabolism症候群により、健康のためにQOL(Quolity of Life)
を犠牲にするのと同様に、「環境のために」というかけ声のために、
逆に環境負荷を高めたり、社員の賞与を削ることは認められない。
「風が吹けば桶屋が潰れる」ような負の遺産が、少しでも解決に近づ
くことを願う。

                              OGRE

2007/12/25発行                              http://business.hey.ne.jp
第61号



宗教と医療Evidence


当社には毎日いろんな人が来社される。
印刷発注のお客様は、それこそ「大歓迎」なのだが、寄付依頼やその他諸々
のお客様らしき方? も来られる。
印刷同業者からの相談事にはビジネスライクに諌言し、障害者関係の相談事
には親身に対応させて頂くようにしている。
高校の同窓生のみならず、小学校から大学までの友人etc.etc. 毎週
「十客百来?」で嬉しい悲鳴を上げている。
「印刷の仕事に関係ない来客が多いことは何よりだ」は母親の遺言? だっ
たが、時に煩わしい(失礼!)と感じたことはない。

ところで、「光町」をはじめとして「光が丘」などと「光」がつく町名は全
国的に宗教団体の建物が多く存在するらしい。誰だ、私の頭を見て
「なるほど」とうなづく奴は?
話が飛ぶが、よくガイジンに、信仰している宗教は何か? と尋ねられるこ
とがあると
"I 've no religion and no religious beliefe. 
But, I'v Nobles Oblige as a polite Japanese."
(宗教など信じちゃいないが、日本人としての武士道くらいわきまえている)
と答えている。果たして、どこまで通じている事やら??
無宗教だということは、どんな宗教の方とも親しくできるし、なるべくなら
偏見を持たないように接している。
キリスト教・創価学会をはじめとして神主さん・禅寺のお坊さんとも個人的
には親しくさせて頂いている。(八方美人かも?)
ある「クリスチャン」が来社した折りに「イスラム教徒」を蔑んだ発言をし
ていたので、「どちらも一神教だから同じレベルだと思うが」と余計なこと
言ってしまった。
その宣教師は、いかにも軽蔑した眼差しを浴びせながら退社されてしまった
が、何となく人種差別的な臭いがして、自称Cosmopolitanとしては後味の悪
い思いだった。
どうも世の中の争い事の発端は、異なった民族間の「一神教崇拝」や狂信的
革新政治屋の「原理主義」が主因ではないかと思ってしまうのは間違いだろ
うか?
これは余談だが、近くにある創価学会のどでかい会館での展示会に、よく半
強制的に(と言っても親しい友人の勧誘なのだが)招待される。
周恩来やRobert Capa(*1)の遺品展などが催され、滅多に見られないものを
目の当たりにしてとても喜んでいた。
社員の一人が「社長はてっきり創価学会員だと思っていました」との発言に
は、「鰯の頭も信心からで、八百万の神しか信じていない」と少々傷付きな
がら嘯いた。
もしかしたら私は内心、宗教に偏見を持っているのかも?
    (*1)ロバートキャパ、戦争Journalistで彼の戦争写真はあまりにも
      有名で、スペイン内乱を撮影中にあの世へ行ってしまった。

ガン患者になってからは、とりわけ宗教団体の方からのApproachが頻繁で、
入信のお誘いにはうんざりしながら丁重にキッパリとお断りしている。
ガン患者団体からのApproachは有り難いのだが、忙しさにかまけて入手した
資料にも余り目を通していないので山積み状態になっている。
それでも術前に知人から紹介されたクリッパーのホームページ
「胃を切除した人のための知恵袋」http://hahawa62kg.comを斜め読みして
多いに助かった。

たまたま10月末の休日にScheduleが空いていたので、中国新聞社で開催され
た「ガンフォーラム」に出かけた。
Main Titleの「苦痛和らげる治療を」、Sub Titleの「癌の痛みの克服を目
指して〜患者中心の医療とは」に惹かれて聴講者になったが、とても救われ
る思いだった。
Texas University M.D. Anderson Cancer Center
(テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター)の上野直人医師の米国最先端
治療では「麻薬は怖い薬ではなく、副作用もなく痛みの95%以上緩和できる」
話には今後に光明を見いだせた。
また、尾道市医師会長の片山寿医師の「末期癌患者が心静かに亡くなるまで
の一部始終の記録映像」にも同感させられるものがあった。

抗ガン剤と食欲不振に耐えながら、なんだかんだしているうちに術後半年が
経過した。Dr.からは「Level 3のBだったし、進行性なので転移しているかど
うかは、うーん神のみぞ知る」と言われていたのである程度の覚悟は出来て
いた。
「世に憚る子」とはよく言ったもので「当分長生きできそうです。社長はし
ぶといからもしかしたら寿命を全うできるかも」医療関係者の発する言葉だ
ろうか? と訝しながらも、治療Evidence(*2)には心底感謝したい。
    (*2)根拠、営業マンが、お客様に振り回されて行ったり来たりして
      いると「営業活動するには行動にImagingとEvidenceを持って
      生産性を下げないようにしろ」と指導している。Evidenceはビ
      ジネス用語だという認識だったが、医療従事者の間でも日本語
      化していることを初めて知った。

既に90%出来ていた「来年度短期経営計画」の練り直しをその日の午後から
始めている。
「Rainbow(7色カラー印刷)作戦」「健康診断名刺作戦」の展開をImaging
しているうちに、新たに「縁なし印刷作戦」「トレカ(Trading Card)作戦」
が生まれてしまった。
新作戦の「おもちゃ箱」をひっくり返している自分に幸せを感じる。
生きながらえていると煩わしいこともあるが、それ自体が実に素晴らしいこと
に思える。
明るく、楽しく、やりがいのある事がいくらでも待ちかまえている。

支離滅裂な文章になってしまったが、ガン転移していなかったことを喜び、
Ealeを贈り続けて下さった方々へのお礼とご報告まで。
  OGRE

2007/12/3発行                              http://business.hey.ne.jp
第60号



事業継承(1)



小学校1年生の頃、娘の口癖は「大きくなったらバイクに乗ってお父
さんの仕事を手伝う」だった。
何故バイクなのか問い返したことはなかったが、おそらく私がバイク
に乗れないことを子供心に察していたからであろう。
5才の頃にはトカゲ・クロヘビ・カメなどが好きで、帝釈峡(中国山
地の山奥)に連れて行った時は「ハンザキ(=大山椒魚)を抱っこ
したい」と目をキラキラさせていた。
「は虫類のペットショップ屋さんをやりたい」と言いだしたが、3年
生の頃になると「世の中の人はあまりは虫類を好きな人がいないので、
お客さんが来ないかも知れないね」と言いだした。
こいつ「Nich-Marketing」や「ゴミ箱理論」の限界をわきまえている
な、と目尻を下げてほくそ笑んでいた。

現在は、琉球大学理学部海洋生物研究科に在籍して、将来は「ずっと
沖縄で暮らして一生海洋生物の研究に打ち込みたい」という決心は揺
らぎそうにない。
それでも時折「お父さんの跡を継いで欲しいのじゃないの?」と口に
していた。
能力のない子供に会社を継がせるのは犯罪行為に近い、と常々口にし
ているが、娘にはDigital印刷会社経営Topになるだけの素養は備えて
いる。(これは親ばかであることを百も承知で述べている)
自分の好きなことがあるのに、跡を継がせようとするのは、親として
Stingy, Selfish&Egoist Fatherになってしまう。

私の体力は、30代後半まで水泳では10年近く日本Championだったし、
この年でも車いすBasket-ballの現役選手だし、Slarom(スラローム)
では負けたことがないほど丈夫な体だった。
5年前にMRSAに感染して右足切断の危機は2か月間の辛い治療で退院で
きた。その治療の影響で網膜剥離を患い、右目は物が三重に見える。
高層ビルの窓にある逆三角形のマークを右目だけで見ると、同志社大
学の校章になってしまう。
本格的に習得したわけではないが、特技だった速読が出来なくなった
けど、それも余り気にしていない。
2年半前には背骨(胸椎3番)が折れて膿が溜まった時の痛みは麻薬が
効かないほどだった。
それでも2か月後には上半身に補装具をつけたまま退院し社長業をこ
なしていた。
やっと落ち着いたと思ったら、その時の痛み止め劇薬の影響もあり、
胃ガンで全摘出手術した。
それでも1か月足らずで退院し、通常の経営者としての職務をこなし
ている。

仕事にしがみついているとか、それほど仕事に未練があるのか、と揶
揄されるが、Digital印刷会社経営が面白いから、継続発展させること
に喜びを感じられるからに過ぎない。鈍感な性格も幸いし、落ち込む
ことも心が乱れることも殆どない。
Dr.からは生存確率のSevereなInformed-Consentを告げられており、統
計学を学んだ身としては、ありのままを冷静に受け止めている。
しかし、当事者としては医学の確率論などうでも良く、寿命がくれば
死ぬだけで、生きている間は好きなことを続けたいだけに過ぎない。
Que sera sera! なるようにしかならないと言った心境で、それをやせ
我慢だと言われても強く否定する気持ちもない。

Net上ではLong-tail作戦(*1)やRainbow(*2)やその他二桁の新作戦を展
開し、PDCA(*3)を行っているときが、今の自分にとって最も相応しい
時間だと実感している。
  (*1) Long-headになるほど経営に寄与している、とは言えないが、
     北海道から九州までのNet受注は着実に増加している。
  (*2) Collaboration・Allianceによる「7色カラー印刷」は当社の
     小手先新製品と違い、本格技術志向なので本気で全国展開を
     目指している。
(*3) Innovationを行おうとすると、机上で考えた戦略「PLAN」を
     まず実行「DO」することが大切になる。しかしいざ行動を起
     こすと現実の壁や想定外の不都合が生じる。それで諦めるこ
     となく検証「CHECK」して、再度攻撃態勢「ACTION」を起こす。
     このPDCAを繰り返すことによってAuf-Heben(昇華)させ実現
     に近づける。私自身、長い間本気で取り組んでいる内に、多
     分この一連のWork-flow(流れ)に魅せられてしまっている。

それでも経営Top が万一の時に事業継続出来るかどうかが、経営者の最
大責務だと捉えている。
現存する善良社員には「経営感覚」を保有している者はいない。
今は何とか凌いでいるが、これ以上One-Man経営を続けることは「片意
地這っている」事になることを痛感せざるを得ない。
印刷界で最もお世話になったお方に、見返りを求めず移譲する潮時だと
判断した。
一抹の寂しさはあるものの、Stakeholdetr(社員のこと、取引先、お客
様のBenefit)をImageすれば、それが一番正しい、と判断するのに熟考
は要しなかった。
この先、思い違いや悲哀を感じることもあろうが後悔することはないよ
うに思える。
飄々と、しかし命懸けで印刷会社経営に取り組んできただけに、自分の
Soft-landingに新たな光明を見いだしたい。
これから数回は、Randomにでも当社の事業継承顛末を報告するつもりで
ある。
                                        OGRE

 

2007/10/31発行                              http://business.hey.ne.jp
第59号



JAGATとJAGRA


印刷界においてさえ「全印工連」と「JAGAT」と「JAGRA」の違いが
わからない人を見受ける。
「全印工連」=全日本印刷工業組合連合会は、昭和30年9月、全国
各地の印刷工業調整組合が結集し、全国団体として結成された。
47都道府県印刷工業組合を傘下とする全国組織が形成され、中小印
刷業界の経営基盤の強化と発展を期して業界運動を展開している。
2008年を目途とした「業態変革推進プラン−全印工連2008計画」を
策定し、新たな飛躍を期してその具現化へ向けて諸事業を展開して
いる。
当社は広島県東南支部内で「2008計画」継続学習の旗振りをしてい
る。

「JAGRA」=日本グラフィックサービス工業会(JApan GRaphic
service Association)は、1966年に設立された公益法人で、全国
1360社の印刷業者および印刷関連機資材業者で構成されている。
旧名「軽印刷工業組合」と言い、比較的小規模の軽オフ業者が多
いが冊子作成能力とData処理能力のKnow-howを蓄積している業者
も散見する。
「印刷関連の教育情報番組専門」のInternet放送・Web Learning
Site「JAGRA BB」を毎週Releaseしている。印刷会社をSupportす
るための各種Know-how・教育・情報 番組を、Streaming動画や
Flash形式のMovieで配信している。画期的な取り組みで、運営費
用の一部は我々会員が負担しているが利用者は会員以外の方が多く
なっている。
当社は広島県理事として「JAGRA」と「全印工連」の合併を提唱し
ている。

JAGAT=日本印刷技術協会(Japan Association of Graphic Arts
Technology)は、上記2団体とは設立Evidenceが違い、印刷に関
する技術の開発・向上により、印刷および関連産業の発展、貢献を
目的として1967年に創立された経済産業省(旧通商産業省)認可に
よる公益法人となっている。
当社はOut-siderだが、「What's News」により毎週On-line学習を
している。

「2008計画」と「JAGRA BB」と「What's New?」は印刷経営Topに
とって不可欠の教材に思える。
JAGATは「基本回帰の人材育成〜人材育成に王道はなし。原点に立った
人作りを考える」Seminorを独断と偏見を交えながら推奨したい。

Contentsは、経営Top及び管理職に対して厳しいAdviceになっている。
1 必要なのは「新たなSkill(技術)・知識」より「新たな気付き・
  問題意識」
  東レ創業者の言葉・「企業はものを作るばかりでなく、人を作
            らなければならない」
          ・「人はBalance Sheet(貸借対照表)に載ら
            ない資産である」
  同社のLeader・管理職教育では、
   ・上司・部下からのHearing(聞き取り)を交え、多面的に自
    己観察を行ったり、
   ・Manager(管理職)としての自己Type分析Tool(道具)を使
    用したり、
   ・Case Study(事例研究)でのGroup討論を行ったり、
研修企画担当者が「現場で活きる」研修規格を試行錯誤しながら
  組み立てている
2 「裸の王様」化する管理者。傍観者の評論家はいらない
   ・Career(経験)を積むに従って人の思考は固定しがちになり、
・役職がつくにしたがい、自分自身に意見する者がいなくなり、
   ・自分自身を冷静に見ることも難しく「駄目上司」「能なし
    社長」になりがち
  まるで自分自身で何でも出来るような口ぶりの「評論家」はど
  この会社にもいる
  口だけは達者=でも常に傍観者で、現場の当事者には決して立
  とうとしない
  ex.「若い頃のワシなら、それなのにお前は……」「既に現場を
  卒業したので……」
  管理職やTopが「ギクリ」「やばい」と感じさせるプログラムら
  しい
     【もっとも、「ギクリ」とさえ感じない「労害」「お荷物」
      も散見するが……】
3 人材教育プログラムに参加した管理職・Topが自殺しないことを
  願う???
  そのような管理職・Topは「社員が(部下が)なかなか指示通り
  に動いてくれない」と責任転嫁した発言に「私は」という主語を
  つけるよう指摘される
  「私は部下に対する指導力が不足しているため、自分の意図する
  ように部下に対して指示が出来ない」という真理が導き出される。
それでも能書きを垂れているだけでもマシだが、何の社員教育も
  出来ないTopがふんぞり返っている印刷会社に未来はあるのだろ
  うか?
  「支部長、言うちゃ悪いが、あそこの会社は3年もたんど……」
     【偏狭固陋な考え方で役職にしがみついている裸の王様だ
      けが気づいていない】

------------------------------------------------------------------

【営業マン教育私案】
ダメ営業マンでも、在籍させているからには教育せねばならないの
だから
 (1) まずTopがお客様の所(新規開拓及び継続顧客)へ連れて行き、
   手本を見せて、
 (2) 帰社後、社内打ち合わせで「5W1H」「ホーレンソー」を復習指導し、
 (3) 次には失敗を恐れず、独りでやらせてみて、
 (4) 再び、社内で綿密に打ち合わせし、
 (5) 能力不足は継続指導し、少しでもLevel進歩があれば褒めて、
 (6) 権限移譲と責任分担が出来る営業マン(社員)に育てる。
事がTopの何よりも大切な仕事のように思えるが、如何なものであろ
うか?

------------------------------------------------------------------

Post Script
Post Scriptを和訳すれば、手紙の末尾の「追伸」が相応しいように
思える。ところが印刷経営Topは印刷界だけの(=MACの)固有名詞と
捉えている向きがある。
事ほどかように印刷界では勉強・勉強・勉強しないTopが多い。夕食後、
TVから離れて隔日2時間くらい勉強癖をつけることは難しいことだろうか? 
今からでも遅くないけれども、継続学習し始めて手応えを感じるように
なるまでには少なくとも1年以上掛かる。それ以上掛けても自社の近未
来がImage出来ないTopは???

                                           OGRE

2007/9/28発行                              http://business.hey.ne.jp
第58号



「健康名刺」のご案内


当社はPOD(オンデマンド)印刷・Varaible(可変)印刷を得意としており、
このたび培ったノウハウを駆使できる「健康名刺」をReleaseしました。
「株式会社日本ヘルスバンクとのAllianceにより、広島県内では当社が
独占販売権のある「代理店」を取得しております。
「健康名刺」の裏にPOD・可変印刷されたIDとPass-wordによりInternetの
「e-ヘルスバンク」で健康診断が受けられます。
診断確率は89.3%(本部調査)の実績があり、健康管理の基礎Dataとして、
医師からも高く評価されております。
Internet健診は「www.e-h-bank.com」にAccessして、IDとPWを入力して
2回まで無料で健診が受けられます。
問診に要する時間は約5〜10分で、医師Groupが作成した問診(男性は212問、
女性は232問)に答えるだけで、A〜Dの診断結果が表示されます。
「A=異常なし、B=わずか二条が認められ、精密検査による確認が必要、
C=異常あり、医師の診断必要、D=重大な異常あり、直ちに医師の元へ」と
なっております。

医師法17条の「医師でなければ医業をしてはならない」と言う規定に抵触
しないか危惧されますが「Internet問診は治療目的にならない」と言う判
例でClearしております。
健診を受けた方で、Mail-Addressを通知した希望者には、本部からの情報
一斉E-mailが随時に届きます。

「健康名刺」の採用実績には、生保や損保代理店の使用が多くあり、民間放
送保険Net-work加盟15社も加盟しております。
因みに広島市内の「R放送」も加盟しておられます。
他にも化学品専門会社・レストラン・居酒屋チェーン・ケータリングサービ
ス会社・飲食店などの実績があり、会社・商店様それぞれの業種に合わせた
PODチラシを作成中です。

当社は現在SP専用の「健康名刺」を持参して、工務店・建設会社様への採用
活動に注力しております。
「健康名刺」はあくまで手段であって、Routineな印刷受注の継続拡大・新
規開拓が所期の目的です。
名刺の他にも「健康年賀状」「健康カレンダー」「健康会員券」等々の
Novelty-Goods開発を計画しております。

「健康名刺」の価格は名刺100枚=\8,000で、本部からの要請もあり、取り
扱い店を募集中です。取扱店には割安で納入するSystemになっております。
取扱店の対象は名刺店・印鑑店・文具店・当社の年賀取次店などを開拓中です。
ご質問は「E-mail」か「FAX」でのみ受け付けており、電話問い合わせには
お答えできませんのでご了承下さい。

                                           OGRE

2007/8/31発行                              http://business.hey.ne.jp
第57号



レインボウカラー印刷


世の中の色はすべて「三原色」の組み合わせで成り立っていることは、小学校
の時に習っており、ほぼ常識となっている。
色の識別は波長の違いとして伝わってくるのだが、人の識別できる色の範囲
(可視)には限界がある。自然界の色も、TV画面も、写真も、PCのMonitor画
面も、RGB(Red・Green・Blue)の組み合わせで成り立っている。
ところが原稿をScanning(≒Color分解)して、印刷物として再現しようとす
ると、RGBのインキでは不可能でCMYKインキでカラー印刷している。
C=シアンCyan藍色、M=Magentaマゼンタ紅色、Y=Yellow黄色、K=Black墨
(*1)の4色のインクの組み合わせで殆どすべての色を再現している。
  (*1)印刷界では「黒」と言わずに「墨」と呼称しているのには訳があるが、
説明は長くなるのでは割愛する

再現できない色には「金色」「銀色」「蛍光色」etc.があり、特色対応(*2)し
ているがどうしても限界はある。
  (*2)特色対応説明もあまりにDetailに及ぶので割愛する

インキの組み合わせと言っても混ぜ合わせるのではなく、それぞれの色版の網
点パーセントを変えて均一な濃度で印刷し、その重なり具合により、あらゆる
色を再現する。均一な濃度といっても、これには数値管理が必要となり、数値
自体も各印刷会社によって異なる。また、印刷側で数値管理をするだけでは不
十分で、Prepress(デザイン前工程)においてもそれを安定して行い、原稿と
のColormatching(≒色合わせ)を実現させる。これを色のStandard(標準化)
と呼び各印刷会社のKnow-howとなっている。
ちなみに、インキの色も「Japan Color」という基準はあるものの、メーカーに
より目視で判るほどの違いがある。
理論上はCMYの組み合わせですべての色が再現されるのだが、現実はそうもいか
ない。K(墨の網点)を加えることにより、Shadowの深みが増し、眠たい色が
ハッキリしてくる。
30年以上前にColor TVが普及し始めた頃に、ブラックマトリックスなる言葉が
流行ったことを覚えておられる人がどれだけおられるだろうか?少し乱暴な説
明になるが、RGBの世界同様に、再現のためのCMYの世界にも「K」が必要だと
解釈して頂きたい。
時折、お客様からは以前に納品した印刷物を見られて「前回通り9色印刷でお願
いします」と言われることがあるが、4色印刷機であらゆる色を再現して、いわ
ゆる「カラー印刷」を作成している。
30年以上前は単色機(*3)で色替えしながら4回通していたこともあるが、現在で
は非効率で犯罪行為になるほど時代は進化した。
  (*3)我々は1色機とは呼称しない。駆け出しのころ、1色機と言って他社の
親父さんから怒られた記憶がある。
 
ところが先日、画家の作品を印刷するときにとんでもないTroubleが発生した。
作品をデジカメで撮影し、インクジェットPrinterで「色校正」を提出するまで
はNo Problemだったが、Offset印刷するときにClaimが発生したのである。
デジカメと言っても我々が使用するCameraは百万円もするし、Scannerだって
1千万円もした。Offset印刷機械は一億円以上もするのに、4〜50万円くらいの
インクジェットPrinterの色が再現できないのである。
通常のPrinterはCMYKの4色なのに、進化したPrinterは7色使われており、4色機
ではどうしても再現できないのである。
高精細印刷とか、FMスクリーンとか高度なSystemが開発されているが、それで
も再現には限界がある。

一般消費者には「費用対効果」からも受け入れられないが、「超高級美術印刷
が得意」「色に強い印刷会社」を標榜するからには、新技術に取り組むことか
ら避けて通れない。
印刷界では「4色分解」が常識になっているが、最初から「7色分解」して
「7色印刷機」で仕上げることを目論んでいる。
当社の技術と設備だけでは開発不可能なので、
朝日精版印刷株式会社(www.asgroup.co.jp)とのCollaborationにより
(と言うよりも寧ろ殆ど先方におんぶにだっこで)初めて実現の道が開ける。
日本中どこにもまねの出来ない品質で、しかもどこにもまねの出来ない価格で
Releaseすることを夢見ている。
早速「Dream Color印刷」or「Rainbow Color印刷」(いずれも仮題)のホーム
ページSite作成に取りかかり始めた。乞うご期待!

 Post Script
病み上がりなのに、「もう仕事にかまけて」と身内からは非難されている。
「Workaholic・Maniac・Stoic」などと蔑まされても一向に気にならない、どこ
ろか「印刷バカ」と言われたら褒め言葉としか受け取れない。
食後のDumping症状と抗ガン剤の副作用は辛くないことはないが……
新作戦・Innovationに取り組んでいれば心が和む。
Dr.からはかなり厳しいInformed Consentを受けているが、
「明日どうなるかをくよくよするより、明日のために今日どうあるべきか」
しか念頭にない。幸せな毎日を過ごしているのでご安心頂きたい。     

                                           OGRE

 

2007/7/31発行                              http://business.hey.ne.jp
第56号

                 

帰ってきたウルトラマン


またまた閻魔大王に嫌われたようで、無事娑婆に帰ることが出来ました。
6月15日の手術は、胃を全摘出するのに7時間を要したそうです。
17日にはBedに起きあがり、18日には車いすにも乗り移れリハビリを開始しま
した。19日からは傷の痛みもなくなり、自力でトイレにも行けるようになり
ました。その間、痛み止めは2回しか服用せず、5日から始めた抗ガン剤
(ティーエスワン)の副作用発生も皆無に近いように感じております。
Dr.も「相当鍛えた体だから回復も早かった」と感心され、看護婦さんからは
「全摘手術して、辛い顔見せず笑い顔している患者さんは初めてです。
どうして?」と聞かれたので「そうか初めてなの? 多分やせ我慢が強いん
だろう」と返事しました。
文章にすると歪にとられそうですが、私の顔色を見て下さった皆さんには
「確かに」と頷いて頂けるものと思っております。
よくよく考えてみると、どうも私はかなり鈍いように思えます。「やせ我慢」
と「鈍感」に対して、周囲からは毀誉褒貶ありますが、取り柄か欠点か自分で
もよくわかりません。
7月7日からは毎日外出も許され、12日には退院し、そのまま会社へ向かいまし
た。
休憩を取りながら、以前の半分以下のManagement Stanceでも、仕事に復帰で
きた喜びを噛みしめております。

入院中、何より有り難かったことが三つあります。留守を守ってくれた社員と、
印刷関係の多くの方からの励ましと、友人からの励ましです。
入院中にE-mailでContactがあったJAGRA青年部のO部長は、「印刷だより」の
バックナンバーに目を通して感想を頂きました。仙台からJAGRA鹿児島大会へ
出席した後、当社へ寄ってくれるそうです。前向きな印刷界の若者達との情報
交換は、私にとって大きな喜びになっております。
28日には印刷勉強会「広島県印刷工業組合東南支部会」を開催することが出来
ました。10人足らずの集まりだったのが、今回は60人以上になり、印刷界に
どっぷりしがみつける幸せを感じ取れます。

今となっては数少ない身内のみならず、高校・大学をともにした友人は、手術
日に朝9時過ぎから夕方6時過ぎまで待合室でじっと待っていてくれました。
手術室から出てくる私に「痛いか?痛いのは生きている証拠だから文句言うな」
と声かけてくれました。中学剣道部時代からの友人は忙しい合間を縫って、
手術終了予定の2時過ぎに来て、なかなか終わらないことを心配して、待合室
でワアワア騒いでいたそうです。翌日は家族でもないのにH.C.U(集中治療室)
に来てくれました。看護婦さんに入室を止められても
「家族以上の関係だから……」とか「主治医の先生に特別に……」とか言って、
Barrierをものともしない行動力の持ち主です。私自身のあらゆる障壁にびくと
もせず(内心はビクビクしながらも)、逃げずにChallengeする姿勢は、どうや
ら彼に仕込まれたように思えます。

小学校1年からの友人達が……、中学からの……、高校からの……、
二十歳で怪我をしたときにお世話になった方が……、バスケ仲間が……、
囲碁仲間が……、入院日以前からE-mailで、TELで、FAXで、来社して、来院し
ての励ましには身を詰まされる思いでした。しかも、鎌倉から、東京から、
京都から、滋賀から、九州から、多分100人くらいの知己が見舞いに駆けつけて
くれました。

お世話になった一人一人へのご挨拶も儘ならぬままに、それでも今日まで無事
に過ごしております。
転移再発に留意しながらも、日々元気を回復しつつあります。これからが肝心
なようですが、長丁場を焦らず、気落ちせず、無理せず、毎日を大切に過ごし
て参ります。
有り難うございました。

  まほろばの  心鎮まる  我がオフィス
  オンデマンドに  デジタル可変

なお、皆様から頂いたお心遣いの一部を「広島市身体障害者福祉団体連合会」
他3団体へ寄贈させて頂きました。甚だ手前味噌な判断ですがご容赦下さい。

                                            OGRE

 

 

2007/6/13発行                              http://business.hey.ne.jp
臨時号

                 

本日入院 明後日全摘手能


入院日が遅れて、今月末の「印刷だより」は発行できそうにない。
残念ながら胃の手術は「全摘出」になった。
いまは、リンパに転移していないことを祈りたい。
たとえ転移していたとしても、今と同じく心が乱れないように思える。
社員に留守を託す「朝礼」をすませ、粛々と病院に向かう。
─────────────────────────────────
  どんなに時が    移ろうと
  雨は降る降る    いつも降る
  憂き世の喜び    悲しみも
  ともに流して    くれる雨
  晴れの日ばかりが  常じゃない
  時には濡れて    歩くのも
  佇みつづけ     苔生した
  羅漢さんも     笑ってる   (詠み人知らず)
───────────────────────────────── 
  帰ってきます  きっとだよ
  いつぞうつつに  流行りしは
  天誅殺なぞ   信じちゃいない
  この世に生まれ  往生までが
  てんちゅうさつの  さ中でも
  あらがう心は  ありません
  精一杯の生きざまは  おのが心を見失う 
  ひょうきんに  ひょうひょうとしたたかに
  生ける日々こそ  いそしまん  (山 野 彼 方)
─────────────────────────────────
   鎌倉から 四半世紀ぶりに お見舞いがあります
  一年前のLove letter  「紫陽花」今でも覚えています
   鎌倉江ノ電沿線は あじさいの名所だそうですね
   極楽寺 長谷寺辺りの風景を Imagination出来ました
   何年か先に 食欲が快復したら 
   「らいらっく」で Beaf stewをご馳走して下さい
   青葉に降りかかる雨は たしか翠雨といいますね
   しのつく雨で濡れ色に 緑がさらに匂い立ち
  QuietでPlaineこそ  あじさいの花らしい
  涙を雨のセイにして  些少なりとも流してみたい
  たまには悲劇の主役でも  演じたいけど無理ですね
  憐憫の涙でさえも  ここ近年 
  流したことが   あるのだろうか?  (やまのあなた)


                                     OGRE


最新号へ戻る